@article{oai:yamanashi.repo.nii.ac.jp:02000166, author = {皆川, 卓}, journal = {教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要, Journal of Applied Educational Research}, month = {Mar}, note = {application/pdf, (1)2000 年代以降のドイツでは、一面的な近代理解による歴史観やそれに基づく排外主義の台頭の中で、ギムナジウム(中等学校)の卒業・大学入学資格試験「アビトゥーア」の出題範囲から前近代史を除外する傾向が進んでいる。(2)そこでアビトゥーアの前近代史出題を廃止したヘッセン州と、残すバイエルン州におけるギムナジウムのカリキュラムを比較し、州ごとの前近代史教育への態度を検討した。(3)その結果、前者では上級課程の1年目までで前近代史を修了するのに対し、後者では上級課程の終盤まで前近代史の履修を残していることが分かった。(4)ドイツの大学入学資格判定では、大学入試のみで決まる日本と違い、上級課程の成績とアビトゥーアの成績が合算され得点化されるため、履修課程の最後に行われるアビトゥーアによる能力測定の内容は、上級課程のカリキュラム編成で決まる。すなわち一般課程から上級課程前期で前近代史を履修し、上級課程後期の近現代学習で歴史構成力を習得し、その学力測定にアビトゥーアを活用するヘッセンに対し、前近代史が上級課程後半に及ぶバイエルンでは、アビトゥーアで前近代史を出題してその履修能力を測る必要がある。(5)したがってアビトゥーアの出題から前近代史が外される傾向は、前近代史軽視の現れとは言えない。(6)これに対し中等教育が中学と高校の二校種制である日本の場合、高校地歴から前近代史を外すと、その学習は必要なくなるため、中学社会歴史の学習事項を批判的に再構築する機会が失われ、一面的な近代理解(象徴化された「近代」)に陥りやすい。}, pages = {103--117}, title = {ドイツの中等教育における前近代史学習の位置づけ : アビトゥーアへの出題廃止とカリキュラム編成を中心に}, volume = {29}, year = {2024} }