@article{oai:yamanashi.repo.nii.ac.jp:00005133, author = {森元, 拓}, journal = {教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要, Journal of Applied Educational Research}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 初等中等教育の学級経営における意志決定は、多数決原理に基づく民主主義的な方法によって行われるのが一般的であろう。多数決原理に基づく民主主義的意志決定は、多数者の意志を代表することから現代社会においては最も使用される意志決定方式であろう。しかし、この民主主義には問題はないのだろうか。 民主主義の問題点を近代初期の段階から指摘したのは、トクヴィルとJ. S. ミルである。トクヴィルは、アメリカの統治システムが余りにも多数者の意志を尊重することを問題視し、それを「多数者の専制」とした。多数者の専制の問題は、社会における少数者の意志が尊重されず、場合によっては、少数者を迫害しかねないことである。また、ミルは、トクヴィルを一歩進めて、世論による多数者の専制を問題視した。ミルは、これを「社会的専制」とした。世論が社会的圧力となって、少数者の意志や自由な創意工夫、独自性を圧迫しかねない。ミルは、この点を問題視した。 このような視点から民主主義をみたときに、これと逆の理念を有しているのが、近代立憲主義である。自由主義原理に基礎をもつ立憲主義は、個々人の自律性と自由を重要視し、これを最大限尊重することに眼目を置く。ミルが社会的専制の問題を語るとき、その処方箋として提示したのも立憲主義的理念であった。立憲主義は、個々人の「個性」を涵養し、これが社会をも自由にする。こう述べたのである。 本稿では、学級経営における問題点を山田詠美『ぼくは勉強ができない』の主人公である秀美の視点と経験をとおして、学級経営における民主主義と立憲主義の相克について考察する。}, pages = {145--159}, title = {初等中等教育の学級経営における立憲主義と民主主義}, volume = {27}, year = {2022} }