小・中学校の理科学習において,水溶液に関する学習は,身の回りの物質への理解を深化・拡大させていくためにも重要な意味や意義をもつものといえる.そのため,水溶液に関する学習を指導・支援する教師には,適切な科学的概念の構築が授業をデザインしていくうえでも必要となってくる.そこで,本研究では,酸と塩基における代替的な概念に関するHanqing & Laura の指摘をもとに,小学校教員志望学生を対象とした酸とアルカリに関する認識状態を把握することを目的として,質問紙調査を実施した.その結果,水溶液の「液性」,「中和と塩」,「液性の強さ」において,学生は低い認識状態にあることが明らかとなった.